10.夢の中へ
残された時間が残り僅かなスコールは、1階でエレベーターの扉が開くと一直線に正門方面へと走り出した、 すると・・・
バチコーン!
嫌なことは続くもので、スコールは再び誰かとハチアワセてしまった。
「いててててて・・・くっそう、今度は誰だ!?名を名乗れっ!!・・・ ウフゥッ・・・」
そこまで言うとスコールは意識を無くし、ふら~と倒れ込んだ・・・
バタッ、危うしスコール!!
その時カメラは真上からスコールを捉えたかと思うと、
瞬間、サッと引いてガーデンホール全体を写し出す。
「まみむめも~!君ぃ~大丈夫ぅ~!?(;o;)」
わらわらと回りにいた人達が集まってくる・・・
その中には食堂から出てきたばかりの風紀委員達もいた。
「やや!あやつはにっくきスコール!!今度こそ奴にトドメを刺す!!!」
「おぉサイファー!やっちまうもんよー!!(嬉)」
「サイファー!雷神!相手倒時殺禁止!!スコール!大丈夫!?・・・(心配)」
『・・・スコ・・・・かりし・・・ドワ・・・呼ん・・・・・・』
ザザーーーー・・・・・・
周囲の声がだんだんと遠くなる
スコールの意識は遠のいていく
もうみんなの声はただのノイズにしか聞こえない
彼の視界はゆっくりとホワイト・アウトしていった・・・
気がつくとスコールは白くて深い霧の中にいた
差し出した手の先が霞んで見えるほどの深い霧だ・・・
その差し出した手の先の方にぼんやりとだが人影が見える・・・
『・・・スコール・・・また・・・会えたね・・・』
「・・・エ・・・エル・・・姉ちゃん・・・なのか・・・?・・・」
『スコール・・・ごめんね・・・』
「・・・どうしたんだよ・・・エル姉ちゃん・・・・・・泣いてるのか・・・?」
『あたし・・・・・・ごめんね・・・ほんとにごめんね・・・』
「・・・なんだよ・・・何があったか知らないけど・・・
エル姉ちゃんは悪くないよ・・・だからもう泣かないでよ・・・ね・・・」
『・・・ありがとう・・・スコール・・・』