102.夢に出てきた女
「ハピーニューイヤー!!」
「イェ~イ♪」
パンパーン☆
図体ばかりでかくて子どもみたいなガーデン生達が、 クラッカーを鳴らしながらスコールの傍らを通り過ぎていった。
「うっ、うるさいのだー!ああいうやつらはガンブレードで刺してやるのだ!!」
少年犯罪に敏感な人に聞かれたら絞められそうな事を口走りながら、 スコールは空腹を満たすべく手近にある食べ物ををドンドコドンドコ口の中に運んでいった。
・・・もしゃもしゃもしゃもしゃ・・・
「フー、満腹なのだ(-ε- )」
スコールははちきれんばかりのおなかをさすりながら、まどろんだ瞳で何気なく周りを見まわしていた。
・・・ふと気がつくと、柱のところからスコールのほうをじーっと見つめている女の子がいた。
ノースリーブの白いワンピを着たその女の子はスコールと目が合うと、ツカツカとハイヒールの音を響かせながら真っ直ぐこちらに向かって歩いてくる・・・
「(・・・ん~?どっかで見た事があるような気がするのだけど・・・(-_- )?)」
スコールは、向かってくるその子の顔をじーっと見ながら考えていたがどうにも思い出せない。
「君が一番カッコいいね。ねね、アタシと踊ってくれない?」
「?」
「もしかして好きな子としか踊らないってやつ?・・・ふ~ん・・・」
「?(-_-;)?」
戸惑うスコールにその女の子は、彼の目の前で人差し指をくるくる回し出し、そしてこう唱えた・・・
「アタシの事が・・・だ~んだん好きにな~る、好きにな~る、好きにな~る・・・ダメ?」
「うーん・・・目が回るからやめてくれなのだ(@_@;)」
スコールは目が回りかけて足元がフラフラしている。
「ね、じゃあアタシと踊ってくれる?」
「今はちょっと無理なのだ。明日以降にしてくれなのだ。」
「んもう、明日じゃしょうがないでしょ?ねぇ、これだけ頼んでもダメ?」
白いワンピの彼女は上目遣いにスコールの表情を伺っている。
「んむむ、し、仕方ないのだ、じゃあちょっとだけ踊ってみるのだ。でも踊った事なんて一回もないのだ(-_-;ゞ」
「大丈夫大丈夫。実はアタシ知り合いを探してるの、一人じゃダンスの輪に入れないからね。」
「なんだそれだけの理由かなのだ(-_-;)」
「ん?気にしない気にしない(笑)あ、でもカッコイイってのはホントだよ♪」
「む、そっ、そうなのだかい?(-_- )ゞ」
スコールはちょっとカッコつけた表情を浮かべつつ、彼女に手を引かれダンスホールの真ん中あたりにやってきた。
ところが・・・
「キャッ」
「ハッ!?すっ、すまないのだ(-_-;ゞ」
スコールはボーッっとしながら歩いてたので、彼女が振り返って止まったのに気づかずに正面からぶつかってしまった。
そしてその拍子に、ふわりと揺れた彼女の黒髪がスコールの鼻腔をくすぐった・・・。
「ん・・・い、いいニオイなのだ・・・(*・o・*)」
その時スコールは、躯の中から今までに味わったことのない何かが沸き上がってくるのを感じていた・・・