106.最後の命令
「なんだかとっても暑いのだ、ちょっと風に当たろう・・・(-_-;ゞ」
一通り踊ったためか、それとも別の理由でかはよくわからないが、 とにかく汗をかいてしまったスコールは、風に当たろうとバルコニーに出てみた。
「うーん気持ちがいいのだ(^▽^)/」
先ほどまで次から次へと打ち上げられていた花火もすでに終了し、 すっかり落ち着きを取り戻した冬の夜空。
その冷たく透き通った空の向こう側には満天の星空が瞬いていた。
と、そこへ一筋の流れ星、、、
スコールは無意識のうちに頭の中で
「(さっきの彼女にもう一度逢えますように(×3))」
と願い事を唱えていた。
「・・・ハッ、なっ何を考えているのだっ俺わっ・・・(汗)
みんな忘れてるかもしれないけど・・・おっ、俺にはエルねえちゃんという憧れの人がっ・・・
でっでも・・・まだ誰にも言った事がないけど、じっ、実は最近ちょっと・・・セ、セルフィのことがすっすっすっ・・・好きかもなのに、クハーッ(*>▽<*)」
スコールは自分で口にした言葉のあまりの恥ずかしさに床の上でゴロゴロとのた打ち回っていた。
「ハァハァ・・・もう何がなんだかわからなくなってきたのだ(@@)」
とそこへ突然キスティス先生が姿を見せた。
「ハッ!キスティス先生!!(汗)」
「・・・スコール・・・あなた何をやってるのそんなところで(汗)」
「いっ、いや、何でもないのだっ、、ちょっと背中にノミがいたからとっていた所なのだ(@_@;)」
「あなたねぇ・・・犬や猫じゃないんだから・・・」
「そっ、それよりも何か用なのか?試験の事か何かなのかなのかっ?」
「あぁ・・そうだったわね、おめでとうスコール」
「あ、あぁ、ありがとう」
「でも・・・ほんとにあなた・・・優秀よね・・・」
「ははっ、それほどでもないのだ(*^^*)」
「いつもチャランポランなフリしてるけど、やればちゃんと出来るんだもんね・・・」
「それは一言余計なのだ(-_-;)」
「そう・・・さっきのダンスも・・・ね・・・」
「みっ、見てたのかっ(@_@;)」
「えぇ・・・見てたわよ・・・」
キスティスが、普段の教室では決して見せないような虚ろな表情を浮かべてるのを見て、 スコールはちょっと気持ち悪くなり、そそくさとその場を立ち去ろうとした。
「・・・なんか先生ちょっと変なのだ、寒くなってきたから俺はもう中に戻るのだ」
「知らない女の子とは踊るのに、私とは一緒にいるのも嫌なの?」
「はっ?誰もそんな事は言ってないのだ(汗)やっぱり先生ちょっとおかしいのだ」
「先生・・・そうよね・・・そうだったわ、すっかり忘れてた・・・ ・・・これから大丈夫なのかな、私。」
「(-_-;)?」
と、急にキスティスは姿勢を正すと、普段のようにキリリとした態度でスコールに言った。
「命令を伝えに来たの。あなたは私と一緒に、通称『秘密の場所』へ行きます、 消灯時間過ぎてから、生徒達がこっそり会って話をするところよ。訓練施設を越えたところにあるの」
「は?そんなところへ行って何をするのだ?校則違反のことだったらサイハー達に任せておけばいいのだ」
「つべこべ言わないの、私服に着替えたら訓練施設入口集合、いい?これは私の最後の命令よ」
「最後?(-_- )?」
そう聞かれてキスティスは一瞬「あっ」という表情を浮かべたが、、、
「・・・まぁね、いろいろあるのよ・・・詳しくは後から話すわ、それじゃ」
そう言うとキスティスはそそくさと立ち去ってしまった。
「私服に着替えて訓練施設・・・?(@_@ )?」
スコールにはキスティスの真意がなんなのか全く分からなかった。