107.暗闇の保健室・前編
「まぁいいか、行ってみればわかるのだ\(-_- )」
楽天的なスコールは、とりあえずは学生寮の自分の部屋に戻ろうとダンスホールを後にすることにした。
* * *
さて、廊下に出てみたはいいが、来る時はセルフィに引きずられてきたのでどうやってここまで辿り着いたのかがさっぱりわからない。
「んー(-_-;)」
スコールは右、左、右と左右の安全確認をしてみたが(謎)
やはりどちらから来たのかさえ分からなかった(汗)
「よくわからないけど適当に行ってみるのだ( -_-)/」
というわけで適当に歩く事5分、スコールは見事に先ほど出発した保健室の前まで辿り着いた。
「わっはっは、このへんが俺の大物たるゆえんなのだ( ̄▽ ̄)」
「でも本当は学生寮に行きたかったところなのだ(-_-;)」
「まぁついでだから料理長の様子でも見て行くかなのだ( -_-)/」
独り言がちょっと多めなスコールは、保健室の戸をそっと開けてみた。
中は真っ暗で何も見えない。
「うー(-_-;)」
しかし電気をつけると料理長を起こしてしまうと思い、スコールはそっと中に入ると入口の戸を閉め、 真っ暗闇の中をそろそろと料理長が寝ているはずのベッドの方に近づいていった。
「たしかこのへんなのだ(-_- )」
スコールは手探りでベッドの位置を探してみた、が、
スコールの手に触れた感触はベッドのシーツのそれでなく、ましてやトンベリィのごつごつしたウロコのそれでもなく、すべすべとやわらかく、それでいてはじけるような感触のものだった。
「うぅ~ん・・・」
「ハッ!?いっ、今のはセッ、セルフィなのか??(-_-;)」
徐々に暗闇に目が慣れてきたスコールは全身の力を振り絞って(?)その声の主の方を凝視した。
「うー(@_@ )・・・やっやっぱりセルフィなのだっ(-_-;)」
どうやらセルフィはトンベリィのベッドにもたれかかって眠り込んでいる様子。
「そっ、そうかっ、セルフィはみんなが遊んでるというのに一人で料理長の看病をしていてくれたのだなっ?なんていいやつなのだ・・・(;_;)」
スコールはセルフィの気持ちに心打たれ、しばらくその場に立ち尽くして泣いていたが、 ふとある事に気がついた。
「・・ん?・・・ひと・・・り・・・?」
次の瞬間、スコールは突如挙動不審人物に変身し(謎)
キョロキョロとまわりを見まわし、保健室に誰もいない事を確認した。
念のため他のベッドもカーテンを開けて確認してみたがやはり誰もいない様子。
慎重派(?)のスコールは、入口の鍵をもかけると、昂ぶる気持ちを押さえるようにゆっくりとベッドのところに戻ってきた。
先ほど、ふとしたきっかけでセルフィのことが好きだということを自ら確認したばかりだったので、 スコールの心臓は、その音でセルフィが起きてしまうのではないかと思うほど激しく鼓動を繰り返していた。
「ハー、ハー、・・・なんだか心臓病になったような感じなのだ(-_-;)」
スコールは小さい声で呼びかけてみる、
「セ、セルフィ~~・・・・」
静かな保健室の中ではその声は意外なほど響き渡り、声を発した本人がびっくりするほどだった。
が、セルフィは何の反応も示さない・・・
・・・保健室には再び静寂が訪れる・・・
もはや耳の奥で聞こえるのは自身の心臓の鼓動のみ。
スコールはカラカラに渇いた喉の奥にゴクリとつばを飲み込んだ。