112.解任
「さてと・・・」
スコールは自分の部屋を見回してげんなりした気分に浸っていた。
引っ越したばかりの新しい部屋が一日も経たないうちに壊滅状態になってしまったからだ。
「あぁあ・・・寮長に見つかったら大目玉を食らわされるだろうな、ハァ・・・(-_-;)」
大好きなドラゴンクエストの大きな目をしたモンスターを思い浮かべて身震いしながら、スコールは重い気持ちで割れたガラスなどを片付け始めた。
しかし・・・
「あーもーめんどくさいのだーっ(>△<)/」
がまんが足りないスコールはすぐに飽きてしまった。
「フッフッフ、困ッテルヨウダナ」
ゼルが入口から半分ほど顔を出している。
「もとはと言えばお前の発明のせいなのだ、なんとかしてくれぇ(-_-;)」
「ワカッタ、ジャアココハ俺ニマカセテ、オマエハ先生ニ謝ッテコイ」
「先生に?」
「約束ヲ破ッタノハオマエナンダ、謝ルナラ早イホウガイイ」
「なんかゼルにしては珍しくまともな事を言ってるのだ、なんだか気持ち悪いのだ(-_-;)」
「イイカラ早ク行ケヨ」
「あ、あぁ、わかったのだ、早速行ってくるのだ~\(-_- )」
スコールはゼルの言うなりに、キスティス先生に謝りに出かけていった。
「フッフッフ、マンマト行キヤガッタ(ニヤ)」
ゼルは入り口の扉を厳重に施錠すると、背中にしょった機械を降ろして何やら怪しげな作業を始めたようだ・・・。
* * *
一方、スコールは教官室の前までやってきていた。
「うぅー、やっぱりここはいつ来ても緊張するのだ(-_-;)」
扉をちょこっとだけ開けて中を覗いてみる、、、
中には例の如く変な格好をしたガーデン教師達がいっぱいで、肝心のキスティスはどこにいるのかわからない。
「・・・てゆーか、変な恰好の教師しかいなさそうなのだ(-_-;)・・・ん?( -_-)ゝ」
スコールは入り口付近の壁に教官の座席表が貼ってあるのを見つけ、その中からキスティス・トリナンバン先生の席を探した。
彼女の席は意外と入り口から近かったのでスコールは意を決し、こっそり席まで行ってみることにした。
ホフク前進でなんとか誰にも見つかることなくキスティス先生の席までやってきたスコール。 しかしそこは・・・
「あれれ?何にもないのだ(-_-;)」
キスティス先生の席らしき机の上はキレイさっぱり何も置いてなかった。
スコールは試しに引き出しの中もチェックしてみることにした。
ドキドキしながら、そそーっと引出しを開けるスコール。
・・と、
「どうした?スコール君」
「(ドキィ!!(@o@))」
誰にも見つからないように入ってきたはずなのに、いきなり後ろから声をかけられて腰を抜かすスコール。
振り返ってみるとその人はシュウ先輩だった。
「さっきから見てたけど一体何をやってるんだい?」
「いやその、、、さっきからって?(-_-;)?」
「入り口のあたりでホフク前進してるところからかな?」
「ガーン(>o<;)」
「ひょっとしてキスティス先生に何か用なのかい?」
「う、実はそうなのだ」
「キスティはもうここにはいないよ」
「え?(@_@;)」
「実はね・・・」
・・・・・・スコールはシュウ先輩からキスティス先生が教官の任を解かれ、シュウやスコールと同じSeeDに戻された事を聞いた。
キスティスが昨夜話したかったのはこのことだったのかもしれない・・・・・・
「そっ、それはいつのことなのだ?」
「昨日急にね、実技試験から帰って来てすぐぐらいだったかな?」
「そ、そうだったのかなのだ・・・(-_-;)」
スコールはなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいで、いてもたってもいられなくなっていた。