27.人差し指の女

疲れた足取りで学生寮の自分の部屋に戻ってきたスコール

「んー眠い、とりあえず寝よう、何はなくとも寝よう・・・
”今の私にとって寝ることは最良の選択である”
”睡眠は健康のために最も最初にすべき事である”
”その人の人生のうちで一番長い時間を使うのは睡眠である”・・・」

などと、詰め込み式教育を受けた英語教師顔負けの英文直訳風センテンスを羅列しながら、 目覚ましもかけずにスコールはベッドに潜り込み、そしてほどなく深い眠りへと落ちていった・・・・・・

脱ぎ捨てられた靴の脇にはポケットからこぼれ落ちたのであろう、
G.F.のケツクワトルがしわくちゃに丸められたまま転がっていた。

『ピ・カ・チュウ・・・(+o+)』


・・・スコールは夢を見ていた・・・


『・・・ル・・・スコール・・・』

「ん・・・朝・・・?」

窓の外からはカーテン越しに朝の柔らかな光がさしこんでいた

『スコール・・・起きた?』

「ふにゃ・・・エル姉ちゃん・・・おはよぅ・・・(-o- )ゞ」

『んもうスコールったら、いつまで寝てるのよ、早くおきなきゃ遅刻しちゃうわよ』

・・・夢の中でスコールは正式なSeeDになっていた、
そしてガーデンを出て、エルオーネと二人で暮らしている様子だ。

「うん・・・そうだね、ふぁぁぁぁ~今日もいい天気だな~・・・」

二人は朝の優雅で甘美なひと時を楽しんでいた、
と、その時・・・

玄関の方からチャイムが鳴る音が聞こえた
ピンポンピンポンピンポンパン♪

『あら、こんな朝早くから誰かしら・・・?』

コンロの火を止め、玄関の方へ行こうとするエルオーネ

「あ、いいよ俺が出るから」

『あらそう?』

スコールはエルオーネを制し、
パタパタとスリッパの音を響かせながら玄関まで行った。

「パ~タパタママ~パ~タパタママ~♪

・・・そちらどちら?」

そして得意のつぶやきシローのモノマネをしながらドア開けた

すると・・・
そこには白いドレスを着た、長い黒髪が美しいひとりの見知らぬ女性が立っていた

「あの・・・そちらどちら・・・?」

・・・とスコールが聞くよりも早く、彼女はひとさし指を立てたかと思ったら
いきなりその指をスコールの鼻の穴に突っ込んできた。

「フガフガフガ・・・くっ苦しい・・・(汗)」

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