29.猛烈遅刻
「うがぁー!まだこんなのがいたのか~っ!!!」
ケツクワトルはもう捨て置いて行こうとも思ったスコールだったが、 G.F.を一つも持たずに行ってキスティスに怒られるのも嫌なので、 せめてこれ一つぐらいは持って行こうと決意した。
「これは・・・えーと・・・しわくちゃだから・・・アイロンだっ!!」
大慌てで隣の部屋にアイロンを探しに行くスコール、
その様子をケツクワトルは不安げなまなざしで見つめていた・・・
3分後・・・
押し入れの奥深くからなんとかアイロンを見つけてきたスコールは、乱暴にもいきなりケツクワトルを床に叩き付けた!
バチーン!
そして、熱したアイロンをケツクワに力一杯ギュウギュウ押し付けた。
『ピィーッ!!!(>o<)』
あまりの熱さにケツクワトルは泣き出してしまった、
しかしその涙もアイロンの熱によって一瞬のうちに水蒸気となり空気中に立ち昇って、そして消えてしまう・・・
・・・5分後・・・
黄色かったケツクワトルは、熱さのあまりすっかり赤くなってしまった、
そしてすっかり乾燥してしまって、泣きたくてももう涙も出ない。
『ぴ・か・ちゅぅ・・・(+_+)』
「よし、行くぞケツクワっ!!」
ペラペラになったケツクワを四角く折りたたんで胸ポケットに入れ、 ガンブレードを引っ提げてスコールは部屋を飛び出した。
「くっそー間に合うのか~!?(汗)」
時刻は午後1時45分・・・
予定の1時はとっくの昔に過ぎていた。
途中・・・
『よ~スコール!ガンブレード見せてくれよ~!!』
と言ってきた生徒を一応みねうちで、しかしバッタバッタとなぎ倒しながら、 やっとの思いでロビーまでたどり着いたスコール。
だがしかし・・・
予定の時間はとうに過ぎており誰もいるはずはなく・・・・・・
スコールはがっくりと肩を落としてその場でへたりこんでしまった。
その脇をのんきにマラソン少年が通り過ぎていく・・・
『ボクは今、青春真っ只中っ!! ...\( ^o^)/』