32.青春の叫び
「スコール・・・てめーどーゆーつもりだっ!?」
「はぁ?・・・なんのことかな・・・?(-_- )ゞ」
「トボケんじゃねえ!!」
サイファーのガンブレードが鋭く空(くう)を切り裂く
「・・・危ないなあ・・・先生に怒られるぞ・・・」
切っ先が目と鼻の先を通過したが、スコールは平然としている
「てめー!さっき俺様が電話したのに出なかったじゃねーかーっ!?」
「電話・・・?」
スコールは思い出していた・・・
「ああ・・・今朝の電話か?ちゃんと出たじゃないか」
(↑第1話参照)
「違う!昼の電話だっ!!」
再びガンブレードが鋭く円弧を描く
「ああ・・・あの電話か・・・」
スコールはやっと思い出したようだ
「あれはさぁ、急いでたから・・・」
というのも聞かずに、サイファーは何故か空想にふけって語り始めた、
こうなるともうどうにも止めようがない。
「いいか~?青春ってのはなァ~・・・ 野に咲く花のように可憐でェ~、そして儚いものなんだァ~! もっとこう・・・熱くなれるもの、何かに対して熱く燃え上がるものをォ~スコール!! お前はァ~持ってはいないのかァ~?え~どうなんだァ~!?・・・」
「なんだかしらねーけど、俺様は腹が減ってるんだ、もう行くぜ」
腐った魚のような目でそう言い残すと、 スコールは自販機で食券を買い、とっとと行ってしまった。
「あ!サイファー!!あいつ行っちゃうもんよーっ!!」
「雷神、黙!蹴蹴!!」
「いてててー風神なにするもんよ~(泣)」
「此侭サイファー連行、了解?」
「ああ、わかったもんよ~」
空想世界に入り込んでしまったサイファーはなおも食堂にたむろする生徒たちに向かって演説を続けている・・・
「・・・いやァ~スコールだけじゃないぞォ~食堂に集まっている諸君~!! 俺の言葉に耳を傾けられよォ~!・・・」
周囲の視線を一身に浴びながら演説を続けているサイファーを、 風神と雷神は目を覚まさせない様にそろそろと連れ去っていった・・・
「相変わらずおかしなやつだ・・・」
スコールは食堂の隅っこで、みそラーメンをすすりながら呟いた。