36.潜入!未体験ゾーン
・・・ふとスコールが何かを思い出した
「あ!そうだ・・・俺セルフィに用事があったんだったっけ」
「え?何~?」
「あのほら・・・朝教室であげたじゃん、シヴァをさ」
「うん」
「あれをさ・・・返してほしいなー・・・って・・・
実はあれから先生に怒られちゃってさー・・・
返してもらってこいって言われたんだ」
「うんいいよ、返したげる♪」
「ホッ、よかった~」
セルフィはピョコンとステージから飛び降りると、
クルリとスコールの方を向き直って言った。
「でも今寮の部屋に置いてあるんだ~、取りに行くの付き合ってくれるぅ?」
「ああ、もちろん」
スコールもステージからひょいと飛び降りると、二人は寮に向かって歩き出した。
「ねえスコールもほんとは今日のSeeD試験受けるんでしょ~?」
「え?なんでわかるんだ?」
「えへへ、だってG.F.がいくつもいるのなんて試験の時ぐらい・・・でしょ?」
「あ、そっかー、それもそうだな(笑)」
「へへ(^^)、さ~副いいんちょ!行くよ~!!」
セルフィは、その大きなアタマをまるでメトロノームのようにリズミカルに左右に振りながら、嬉しそうにテケテケ走っていく、
スコールの目には、彼女のアタマの周辺に音符が跳ねてるかのように見えた。
「んん?・・・目が疲れてるのかな・・・(=_= )?
お、おーいセルフィ~、ちょっと待ってくれよ~」
慌ててスコールはセルフィの後を追って走っていった。
二人は寮の前までやってきた
「じゃあ俺はここで待ってるから・・・」
「え~?スコールもいっしょに来るんだよ~♪」
「え?(汗)・・・だって・・・女子寮は男子禁制だろ?(汗)」
「あれ~?スコールって意外と古い考え方なんだね~?
そんなの気にしなくていいよ~♪」
「で、でもさぁ・・・」
「だいじょうぶだよ~ばれやしないって♪ ほら置いてっちゃうよ~」
言うが早いかセルフィはピョコピョコと階段を上がっていく。
「ちょっちょっと待ってくれよぉ・・・」
スコールは周囲の気配を窺いながら、そろそろと上がって行った・・・
「ひえぇ~ドキドキ・・・(*・・*)」
「スコールぅ~ほら~ここだよ~♪」
セルフィは自分の部屋の前で飛び跳ねながら、こっちに向かって手を振っている。
「ばッバカッ!でかい声を出すな!!」
スコールは慌てて駆け寄ると、セルフィの口を塞ぎ(もちろん手でね(汗))、
羽交い絞めにして部屋の中へと滑り込んだ。
「ふぅ・・・これで一安心だな・・・」
スコールがほっと一息つき、細い手足をバタバタさせてもがくセルフィを解放しようと思ったその時!
「キャーッ!!変態ィーッッ!!!」
ハッと振り向くとそこには真面目そうな三つ編みの少女がおびえた目をして立っていた。
変態スコール(!?)大ピンチ!!