37.洗濯物
「あ、いや、これは、その・・・」
スコールは何故かセルフィを隠すように背を向けてしまう。
「モガモガ・・・(ちょっとスコールぅ~もう離してよぉ~)」
「あっ、そうか」
やっとのことでセルフィを解放するスコール。
「ぷふぁ~っ苦しかったぁ~」
『・・・セルフィ・・・?』
「あ、うんうん、気にしないでいいから、スコールぅ~ちょっとそこで待っててね~♪」
セルフィはそう言いながらトテトテと奥の部屋へ行ってしまった・・・
取り残されたスコールと三つ編みの少女は、入り口でお互いにもじもじしながらセルフィが戻ってくるのを待っている・・・
「あれ~おっかしぃな~?」
セルフィは自分の部屋で、ドタンバタンと必要以上に大きな音を立てながらシヴァを探している。
「(なっ、何があるんだあの部屋は・・・)」
スコールは少し恐ろしくなった。
ふとそばを見ると、洗濯籠の近くにナニヤラ白いものが丸まって落ちているのにスコールは気がついた。
「(む・・・あれはもしや・・・)」
そして三つ編みの子もスコールの視線の先にあるものに気がついた。
『(・・・いやだセルフィったら・・・)』
二人は無言で顔を赤らめてモジモジしている・・・
「あー思い出した~♪」
セルフィは玄関の方にトテトテと走ってきた。
「汚れてたから洗おうと思ってたんだ~♪」
『あーっセルフィそれ・・・!』
三つ編みの子が止める暇(いとま)もなく、 セルフィは洗濯籠からポンポンと洗濯前の下着類を放り出していく・・・
「・・・・・・(*-_-*;ゞ」
『・・・・・・(*・・*)』
「あ~!あったよ~ほらスコールぅ~♪」
洗濯籠の中ですっかりシワシワになってしまったシヴァをブンブン振ってみせるセルフィ。
「・・・ん・・・あ、ああそうだな・・・じゃっじゃあ俺はもう行くよ・・・」
スコールはシヴァをひったくるように受け取ると、そそくさと部屋を出ようとした・・・が。
「あー待ってよスコール~あたしも行くぅ~♪」
「へ?」
「試験までまだ時間あるしぃ~、スコールの部屋、行ってもいいでしょ~?」
「は?」
「だめ~?」
いつものように大きなアタマをコテンとたおして上目使いで聞いてくるセルフィ。
「いや・・・べつにいいけど・・・」
「やった~♪ じゃあちょっと行ってくるから~♪」
『う、うん』
「じゃあいちきま~す!」
『・・・いってらっしゃい・・・』
バタンと扉が閉まる、
ほっとして急に力が抜けたのか、三つ編みの女の子はその場でへたりこんでしまった。
と、再びドアが開く!
びくっとして起き上がる三つ編みの子。
『ハイッ!?』
ドアの隙間からにゅっとセルフィが顔をのぞかせて小声で言った。
「このことは寮長にはないしょだよ、ね?」
『う、うん・・・もちろん・・・』
セルフィはニッと笑った。
「じゃあ今度こそ、いちきま~す!」