46.デート1回・・・?

ここはバラムガーデン一階ロビー、
時間は午後3時45分・・・つまり集合時間の15分前・・・

スコールの指導教官であるキスティス・トリナンバンは、
未だにひどく落ち込んだ様子で自分の担当する生徒達が集まるのを待っていた。

「はぁ~・・・スコール・・・まだ怒ってるかしら・・・」

集合時間を伝え間違え、スコールを一時とは言え失意のどん底に陥れたことと、 そんな彼の様子を察してやる事も出来ず、 結局彼に対して気のきいた言葉のひとつもかけてやれなかった自分の不甲斐無さを彼女は責め続けていた。

・・・とそこへのんきに鼻歌を歌いながらスコールがやってきた。

「一番長男はダンゴッダンゴッ、三番の長女もダンゴッダンゴッ♪ダンゴカルテット~チャーラッ♪」(引用:団子三兄弟)

「あ・・・スコール・・・!」

「あ、先生・・・どうしたんだ?泣きそうな顔して・・・?」

「あ、あの・・・・・・さっきはごめんなさいっ・・・」

と、突然頭を下げるキスティスにスコールはちょっぴり驚いた。

「んー? ど、どうしたんだよ先生~?(-_-;)」

「えっと・・・さっきの・・・あの、私が時間を伝え間違っちゃって・・・その・・・・・・」

「あーあー、別にいいよ、もう。気にしてないし」

「でも・・・さっきはあんなに・・・」

「別にいいってば、試験はちゃんと受けられるんだからさ♪」

「ほ、ほんとに?」

「ああ、そのかわりデート1回・・・」

「え?デートっ!?(*・・*)」

「・・・デートの約束を1回減らさせてもらうから」

「ギャフン(>_<)」

スコールはキスティス先生をギャフンと言わせると、お尻のポケットから帳面を取り出し 筆の穂先をひとなめすると、キスティスとのデートが予定してあった日のところに大きく
×印を書き込んだ。

「フッ・・・」

落ち込むキスティスに背を向けて邪悪な笑みを浮かべたスコールは、 目前に迫った最終試験に思いを馳せるのだった。

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