47.出陣式
俺はスコールガキ大将、天下無敵の男だぞ、サイファー、ゼルは目じゃないぞ・・・(出典:ジャイアンのテーマ)
いよいよこれから試験が始まる、SeeD認定のための最終実地試験だ・・・
これにパスすれば夢にまで見た正式なSeeDになれるんだ・・・SeeDになれさえすれば・・・フッフッフ・・・ハッハッハ・・・
「うひゃはははは!」
「何笑ってるの、スコール!」
突然笑い出した俺をキスティスが注意した、
シド学園長が真面目でくだらない精神論をのたまってやがる最中の事だから当然といえば当然だろう・・・
「フッ、当然だ・・・」
「・・・?(-_-;?」
キスティスがこちらを訝しげな顔で見てやがるが・・・
まぁ気にするほどのことでもないだろう。
ん?
風紀委員のサイファーもこっちを睨んでやがるな・・・
フッ、しかしSeeD試験を何度も落ちてる奴だ、たいしたタマでもあるまい・・・
しかもトリマキがいないと何も出来ないときている・・・しょせんはそんな程度だ。
そしてこいつ・・・ゼル・デンガナ・・・
こんなロボットの出来損ないなんぞが試験に受かるものか・・・クッ・・・クククッ・・・
「うひゃーっハッハのハ!」
「スコール!いいかげんにしなさい!!」
おっと、またキスティス改め”ヒスティス”を怒らせてしまったようだ・・・フッ・・・
デブ(シド学園長)は・・・相変わらずのボケ面か、ケケケッ・・・
しかしその直後・・・
「うぅっ・・・」
スコールは軽い眩暈をおぼえ、足元が少しふら付いた・・・
そして途切れる意識・・・・・・
スコールの頭の中には今朝の出来事(すぐそこのエレベーターの前で倒れ、意識を失ったこと:第10話参照)がほんの一瞬脳裏に浮かび、そして消えていった・・・。
「・・・というわけです・・・いいですか?スコール君・・・スコール君?」
シド学園長がスコールの異変に気づき声をかける。
「・・・へっ?」
シドの声で、スコールはかろうじて意識を取り戻した様子だ。
「スコールちゃんと聞いてたの!?」
「スコール!キサマそんなふらふらしてると試験に落ちてしまうぞーっ!熱血しろ、熱血~!!」
「サイファー、あなた人のこと言えないでしょ!?もうこれで何回目?」
「・・・チッ・・・(蹴り蹴り)」
キスティスに注意され、サイファーは雷神に八つ当たり。
「なにするんだもんよー(泣)」
「うぅーん・・・なんか今日は朝からおかしなことがよくあるなぁ・・・んん?」
気づくとスコールは手のひらにびっしょり汗をかいていた。
「ハッ!これはもしや何か不吉なことがおこる前触れなのではっ・・・!?
・・・って、なわけないか(楽天)」
スコールは汗で濡れた手をズボンになすりつけながら、 徐々に自分の身に降りかかりつつある奇妙な出来事のことを気に留める風もなく、 ただのんきにサイファーと雷神がもめている様子をニヤニヤ見つめるのであった。