50.作戦司令
バラムの港に着いた一行は、そこからガーデンが用意した船に乗り込み、
一路、ドール公国を目指すのであった。
「しかし船は残っててよかったよなあ、ドールまで泳いで行けって言われたらどうしようかと思ったぜ(笑)」
試験慣れしたサイファーはさっさと船に乗り込み、どっかりとソファーに腰をおろしたが、 実地試験初体験のスコールとゼルは恐る恐るあとからやってきて空いてる席にちょこんと座った。
じきに今回の総指揮官でありキスティスの大親友でもある正SeeDのシュウ先輩が、 今回の作戦について説明するためにやってきた。
「やぁキスティ」
「シュウ、これが今回のメンバーよ、よろしくね」
「へぇ・・・相変わらずキスティはクジ運が悪いね・・・」
「あらそう?私は結構楽しんでやってるわよ♪」
「・・・そっか・・・あぁ、それもそうだね、フフッ」
「うふふっ」
二人はなぜだかスコール達の方をチラチラ見ながらニヤニヤ笑っている。
「おいおいお姉さん方よー!そんなことはいいから早く始めてくれよーっ!!」
「はいはい、サイファーくんは相変わらずだな」
「くん付けで呼ぶんじゃねー!!」
「はいはい、では・・・これより状況及び任務の説明を始める」
実地試験初体験のスコールとゼルは、 キスティスと談笑していた時とはまるで別人のようなシュウの厳しい口調と表情に思わずビクッとしてしまった。
そんな小心の二人を見てベテランのサイファーは鼻で笑った。
シュウの作戦に関する話が始まる。
「着席。
本件のクライアントはドール公国議会、SeeD派遣の要請があったのは18時間前だ。
ドール公国は72時間前からガ軍の攻撃を受けている。
開戦から49時間後、ドール軍は市街区域を放棄、
現在は周辺の山間部に退避し、部隊の再編を急いでいる。
以上が現在の状況だ。
次に具体的な任務と作戦の説明に入る・・・」
シュウの話はまだまだ続くのだが、
我等がスコールはガーデンからバラム港まで走ったことの疲れからか、 シュウの話を子守唄にうとうとと眠りの世界に入っていった・・・。