59.ヤキソバの鉄人
疑惑と緊張が漂う中、鉄人師弟コンビ(謎)は早速調理にとりかかった。
「サ坊!ガスの経路を確保しろ!!」(ト)
「ヘイ、ガッテン承知!」(サボ)
「サボウってなんなのだ?(@o@)?」(ス)
「・・・サボテンダーのことじゃないのか?」(サ)
「あぁそうか・・・でもそれは略しすぎだなぁ」(ス)
「オヤビン!このホースだ!種類はプロパンッ!」(サボ)
「プロパンだと?なんだ都市ガスはまだ来てないのか?」(ト)
「この辺りは都市開発が遅れているみたいっすっ!」(サボ)
「・・・まぁいい、火力に免じて許してやろう」(ト)
トンベリィとサボテンダーはガス管をコンロにつなぐ作業から始めていた。
なんとなくそれを見ていたサイファーはふとあることを思い出した。
「・・・そういえばひとり足りないような気がするんだが・・・」
「気のせいだろ~」
「・・・そうか・・・気のせいだな・・・」
スコールはヤキソバ作りを見るのに夢中でサイファーの話など聞いちゃいなかった。
ジュージュー・・・
火にかけられたナベ(中華ナベ)の中で玉ねぎと肉らしき物が踊っている、
トンベリィがなべに老酒を大さじ一杯入れた、そして軽くなべを振ると、天井を焼き焦がさんばかりの火柱が立ち上がる。
「ホンゲー(@ε@)/」
相変わらずスコールの驚き方はオオゲサだ。
「スコール・・・あれは何だ?」
冷静に調理の様子を見つめていたサイファーが聞く。
「ん~?肉だろ?」
「さっきあんな物あったか?」
「さぁ?あんまりよく見てなかったな~」
「・・・(見てただろう、ボケがっ)・・・おい、そこの魚!」
ギロ!
なべを振りながらトンベリィが黄色い目をビカビカ光らせてサイファーの方を振り向いた。
「・・・魚ってのは俺様の事かっっ・・・クワーッ!!( ●▲●)」
「あぁっ、親方は仕事中に話し掛けられるのを極度に嫌うんすっ!!」
「・・・おぅ、そいつはすまねぇな・・・じゃぁお前に聞くけど、 あの肉は何の肉だ?さっきはあんなもの持ってなかっただろう・・・」
「あぁ、あれはさっき外で見つけたハイパーほし肉っす!」
「ハイパーほし肉・・・?なんだそれは・・・」
「西暦1000年頃にまきがい亭っていうお店で9900Gで販売されていたという伝説の肉なんす」
「それは食べても大丈夫なのか・・・?」
「当たり前だ、なんてったってハイパーだからな・・・」
黄色く光る目をギョロギョロさせながらトンベリィはちらりとこちらを向き答える。
「なんだ聞いてるんじゃねぇか・・・」
「・・・出来上がりだ・・・」
コトリ
テーブルの上に一皿のヤキソバが運ばれてきた。