61.大物ピンチ
「おいそろそろ行くぞ」
のん気にヤキソバを食べているスコールに向かって、
先ほどから貧乏ゆすりをしながらイライラしていたサイファーが声をかけた。
「ん~?」(ス)
「今が試験中だということを忘れたわけじゃあるまい」(サ)
「むむっ・・・(忘れてた)」(ス)
「ヘッ、さすが大物だな・・・」(サ)
「まぁね(ニヤ)」(ス)
「嫌味で言ってんだがな」(サ)
「そっそうかっ、それはすまない(-_-;)ゞ」(ス)
「いいってことよ( -_-)ゝ」(サ)
仲がいいんだか悪いんだかよくわからない会話をしながら二人は立ち上がり、
そして店を出ようとした。
・・・が、
「おい、ちょっと待て( ●▲●)」
その後ろ姿に店長の(?)トンベリィが声をかけた。
「ん~?お代はちゃんとそこに置いてあるぞ~」(ス)
テーブルの上には先ほど海岸で拾ったらしい貝殻が数枚置かれている。
「食った分は体で払ってもらわないとな・・・」
トンベリィはない指をポキポキならして黄色い目をビカビカと光らせた、
その後ろでは子分のサボテンダーが”とぎたて”の中華包丁を差し出している。
その包丁を受け取るとトンベリィはゆっくりとスコールたちの方に歩み寄ってきた。
トンベリィが包丁を手にしたときの威圧感は蛇に睨まれたカエルぐらいすごいのだ!(違)
「じゃっ、じゃあこの腕1本ぐらいでいいかなっっ?(汗)」
焦ったスコールは手近にあったサイファーの腕をつかんで差し出した。
「その腕か・・・その腕が俺様の包丁に血をすすらせようと待ち構えておったかァァァーッ!!!」
「おいおいおい・・・なにワケわかんないこと言ってんだこいつ・・・(汗)」(サ)
「クワーックワックワックワックワッッッ・・・!!」
トンベリィの黄色い目は充血した毛細血管で真っ赤に染まっていた。
・・・っとその時ッッ!!
「まテーッ!!」
聞き覚えのあるカタカナ混じりの大音声(だいおんじょう)とともにドアが突然バン!と開いた。
「こレヲ使エーッ!!」
ドアの外から何かが投げ込まれた、
ボテ、
それは一本の腕だった。
その瞬間、スコールたちの顔に縦線が走った。