69.ニーダの苦悩
ゼルがほんのちょっと先で叫んでいることも知らず、
A班はドール公国のネットワークにログイン出来ずに悪戦苦闘していた。
「・・・くっそぅ・・・何故だっ、何故だぁーっっ!(汗)」
A班班長のニーダは先ほどから必死に携帯型コンピューターのキーボードを叩いているのだが、 一向にネットワークのサーバー機が応答する気配はない。
「ねぇはんちょ~、あたしが代わろうか~?」
心配そうにセルフィが覗き込む。
「い、いや、大丈夫だよ。もうすこしでログインできるから・・・」
「でもぉ~・・・」
「大丈夫だって!俺がやってもこんなに時間がかかるんだ、君には無理だよ!!」
きっぱりと言うニーダ。
「ふーん・・・そうかなぁ・・・」
セルフィは退屈そうにニーダの周りをうろうろしている。
ニーダは相変わらず脂汗をいっぱい出しながら(笑)必死にキーを叩きつづけている。
「(ふぅぅ・・・危ないとこだった・・・ここでこんなまみむめ女ごときにあっさりログインされては班長としてのメンツが丸つぶれだからな(苦笑))」
実はニーダは単なるカッコつけだった(爆)
ニーダに相手にされないセルフィはなにか面白いものはないかと辺りを散歩でもしようかと思案していた。
「あっそうだ、スコールたちが行った方に行ってみようかな~♪」
セルフィは嬉しそうな、そしてちょっぴり照れたような表情を浮かべると、
スコール達B班が走り去っていった方に歩き始めた。
トテトテトテ・・・
無意識のうちに小走りになってる自分にハッと気づき、
思わず辺りをキョロキョロ見回したりしてみるセルフィ。
が、周りには誰もいない、ほっとして胸をなで下ろす。
「ふー、ドキドキ。どうしちゃったんだろ・・・」
セルフィは今度はちょっと落ち着いて、ゆっくりと町並みを眺めながら中央広場の方に歩いていった。
一方ゼルはと言うと・・・
「オッ、セッセルフィー!セルフィーがコッチニ来るゾ!オォーイセルフィー!!!」
ゼルははずれてる手を思い切り振って(?)セルフィを呼んだ。
「あれ~ゼルぅーどうしたの~?」
セルフィはちょっとボーッっとしてたのでうっかり通り過ぎるところだったが、
すんでの所でゼルの存在に気が付いたのだった。
「ドウシタノジャナイヨ・・・見レバワカルダロ・・・(汗)」
「うん・・・ちょっと待っててね~」
セルフィはそこら中に散らばってるゼルの部品(!)を集めると、
先ほどスコールがやってたように組み立て始めた。
「ねぇゼルぅ~一度お医者さんに見てもらったほうがいいんじゃない?」
「ウーン・・・ヤッパリチゃント博士ニ見テモラわナイトダメかナ・・・」
「え~?博士って~??」
「アっ、いやっナンデモナインダッ(汗)トニかく速ク直しテクレッッ!!」
「はいはい、よいしょっと・・・これでいい~?」
組み立てが終わって、ゼルを起き上がらせるセルフィ。
「オォゥ、サンキューセルフィー・・・ってオォォォーィ!!」
ゼルの体はお約束通り手足が逆に付けられていた。
「てへ~しっぱいしっぱい♪」
「テ、テメー・・・ワザトダロ・・・(-◇-;)」