78.エレベーターを前にして
ウィーム・・・
自動ドアをこじ開け(間違った日本語)電波塔の内部に侵入したスコール達一行。
その内部は長い間放置されていたらしく埃が被ったりして薄汚れてはいるものの、何か巨大なものを動かす基幹部分のようで、 スコール達3人が手をつないで囲んでも到底抱えきれないような極太の油圧ジャッキが何本も立っていた。(ような気がした(謎))
ときおりガルバディア軍の兵士がどこからか突然現れたりするものの、 細身の怪力・セルフィによってバッタバッタとなぎ倒されていく。
「えーいっ♪」(セ)
「いけーセルフィ~♪」(ス)
スコールは近頃めっきり戦闘から遠ざかっていた。
「ウゥム(汗)」(ゼ)
ゼルはちょっとそんなスコールのことを心配してるようだった。
「よっし~!行くぜ~っ!」(ス)
「おーっ♪」(セ)
しかしゼルの心配をよそにスコールは絶好調だった(違う意味で)
そして一階の奥の方で業務用エレベーター(?)を見つけたスコール達。
「わーい、これで上にあがれるね~♪」
「おぅっ、上がれるぜーっ!(ノリノリ)」
早速乗り込む能天気コンビ。
が・・・
「ん?どうしたんだゼル、早く乗れよ」
ゼルは側の立て札(?)をじっと見つめている。
「ウゥム・・・コレナンダガ・・・」
ゼルはそこに書かれてある文字を読んでいるようだった。
「何が書いてあるの~?」
「ウゥン・・・マァ、要約スルト・・・
コノエレベーたーハ荷物運搬専用ダカラ・・・人ハアッチノエレベーたーヲ使用シロ・・・
ト、書イテアルンダ・・・。」
見るとゼルの言う通り、通常の小さなエレベータもあっちの方にあった。
「大丈夫だよ、ゼルは怖がりだなぁ」
スコールはノリノリでおかしくなってるのか、 それともセルフィの前だからカッコつけたくて無理してるのか、 よくはわからなかったが乗る気だけはマンマンのようだ。
「ンンン・・・」
ゼルは改めてそのエレベーターの全貌を眺めてみた、 それは通常のエレベーターとは全く異なる一枚の板状の乗り物で、 当然周りには壁などまるでなく、しかも安全のための手摺さえ全くついてないと言う・・・
常識的に考えると荷物を載せるのも危ないのでは?と疑いたくなるようなシロモノだった。
しかしその反面、建物の中心部を上がっていくので、内部の構造が丸見えで、 面白くないかと問われれば「面白い」と答えざるを得ないと言った感じ。
「ヤッパリ俺ハあっチノデイクヨ・・・」
ゼルの冷静なコンピュ・・・頭脳は結局安全策をはじき出したのだった。
そう決めるとゼルは、
「ジャア上デ会オウ」
と言って、スタスタと行ってしまった。
「さぁ乗ろ~♪」
「おっおう・・・」
ゼルの後ろ姿を見送りながらちょっぴり後悔(?)のスコール・・・
しかし無情にもセルフィは『UP』と書かれたボタンを既に押していた。
「それいっけ~♪」
ウィィィンン・・・・
二人を乗せたエレベーターはモーター音を響かせ、動き出した。