79.二人きりのエレベーター
スコールとセルフィを乗せたエレベーター(?)は、 モーターの音を吹き抜けの建物内に響かせながら上昇を続けて行く。
ウィーン・・・・
「・・・ドキドキドキドキ・・・」
ご存知高いところが苦手な我らがスコールは、 高所恐怖なドキドキとセルフィと二人きりなドキドキと、 その両方が混じり合ってなんだかもうドキドキストだった(謎)
「(ブルブルンッッ)」
スコールは何かを振り払うかのようにかぶりを振ると、 気分転換のために景色でも眺めようとエレベーター(ってゆーか板)の端の方に行ってみた。
「ゾゾーッ」
高所恐怖症ながら好奇心旺盛で怖いもの見たさ病のスコールは、 うっかり板の端から下の景色を眺めてしまった。
板(エレベーター)は既に地上から10メートルほどまで昇っており、 それはビルに換算すると4~5階ほどの高さだった。
「ヒェェェーこっ怖いーっ!!次の階で止めてくれーっ(>△<;)」
「屋上まで直通だから次の階なんてないよ~」
「えぇーっそんなーっっ(ToT)」
「そんな端っこにいるから怖いんだよ~」
「うぅーそれは分かってるのだー(>△<;)」
「じゃあ早くこっちにおいでよ~」
セルフィは、へっぴりごしで下を覗き込んだまま固まってるスコールの様子を首をかしげて眺めていた。
「で、でも~・・・」
「でも~?」
「じっ、実は怖くて目が開けられないのだ~っ(>◇<;)」
「え~?・・・んもうしょうがないなぁ~・・・」
セルフィはトテトテとスコールのところに歩み寄ると、すっと手を差し出した。
「ほら~」
「うっ、みっ見えないのだっっ(汗)」
スコールは手当たり次第手を出してみるもなかなかセルフィの手が見つからない。
「・・・んん?・・・あ!あったあった!!ヨカッター(ホッ)」
「ちょっ、ちょっとスコールぅ~・・・(*・・*)」
「んー?(-_- )?」
やっと落ち着いて目を開ける事が出来たスコールが、自分の手が握ってるものを見てみると・・・
それはあまりに細すぎて腕と間違うのも無理も無いセルフィの太ももだった。
「ハッ!?(-_-;)ゞ」
ハッとして手を離すスコール。
「・・・んもう・・・ほら・・・(///)」
改めて手を差し出すセルフィ、その手を恥ずかしそうにニギるスコール。
お互いに目を合わせない様にチラチラと相手の表情を窺いながら、 しかし特に交わす言葉もなく、ちょっとヘンな雰囲気の2人を乗せたエレベーター(板)は、 ゆっくりと上昇を続けていくのであった・・・。