85.撤収命令

「あーっ、いっけなーい!!」

突然セルフィがすっとんきょうな声を上げたので、 その後ろで魔法玉の整理をしていたスコールはびっくりして手に持っていたサンダーの玉を誤って握りつぶしてしまった。

「ンギャーッ!」(ス)

スコールは慌てて玉を投げ捨てたので手が少々しびれた程度で助かったが、 その投げ捨てられた方にいたトンベリィ料理長が被害を受けた。
料理長はサンダーの効力により感電し、全身が痙攣を起こしている模様(汗)

「わー料理長!!(@o@)誰かーっ早くケアルをーっ!!(汗)」(ス)

「おぅ!オイラに任せてくれーっっ!!」(サボ)

ハッとして振り返ると、久々登場のサボテンダーが猛然と突っ込んでくる姿が目に入った。

「ケアルを置けーっ!!!」(サボ)

「おっ、おう(-_-;)」(ス)

スコールは慌ててカバンから玉をひとつ取り出すと下に置いた、 しかしその玉は赤い色をしていて、一目でケアルではないと誰もが悟った(汗)

しかしそんなことを考えてる暇もなく、サボテンダーの黄金の右足は赤い玉めがけて振り下ろされた!!

「シュートォォーッッ☆☆☆( ○0○)/」(サボ)

サボテンダーが蹴り出した赤い玉は、火の粉を撒き散らしながら唸りを上げて一直線にトンベリィの方へと飛んでいく、 そして『あっ』という間もなく、赤い玉(ファイア)は痙攣して動けなくなっている料理長(トンベリィ)を直撃した。

「料理長!!!」(ス)

ボワワーッ!!
トンベリィはフランベの火柱よりも遥かに大きな燃え盛る紅蓮の炎に包み込まれた。

「わー料理長ーーーっっ!!!!(>o<;)/」(ス)

慌てふためくスコール

「誰かーっ、誰か水をーっ!!!」(ス)

しかしここは長い間使われていない建物の屋上、水など出るわけがない。

「あっ・・・サイファー班長!!」(セ)

「んあ?」(サ)

一連の様子を心配そうに見詰めていたセルフィが急に何かを思い出したようにサイファーに声を掛ける、 サイファーは無関心そうに鼻くそをほじくってる所をセルフィに声をかけられ、ちょっと焦っている様子。

「そうだサイハー!なんだお前は!!最近なんかキャラが変わってきてるんじゃないのかー!!?しっかりしろー風紀委員長っ!!熱血野郎はどこへ行ったんだーっっ!!!(ToT)」

スコールもサイファーにいわれのない文句を言いつつ食って掛かる(謎)

「おいおい(汗)・・・で、なんなんだセルフィ?」

落ち着いた様子でセルフィにたずねるサイファー

「あのね班長、実は伝令があるの~!」

「伝令だとぉ?」

「はい、B班班長に伝令です!SeeD及びSeeD候補生は1900時に撤収、海岸に集合せよ!!」

急に姿勢を正し、キリリとした態度で自らの任務をこなすセルフィ。

このどうしてよいのかわからない惨状を目の前にして、非情にも即刻撤収の命令。

この場にいるSeeD候補生全員にピンとひとすじの緊張が走った瞬間だった。

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