89.犠牲
両手がふさがっているスコールにぐんぐん迫ってくる巨大な機械!
危うしスコール!!!
・・・とその時・・・っ!!
「・・・ス、コール・・・・」
なんと!
死んだとばかり思っていたトンベリィがうっすらと目を開けたではないかっ!!
「料理長!!死んだんじゃなかったのだなーっ(ToT)/」
「フッ・・・そう・・・簡単に・・・死んでたまるか・・・それとも何だ、死んで欲しかったのか・・・?」
「とっ、とんでもないのだっ!つまらない冗談はやめるのだっっ!(>o<;)」
「あたりまえだ・・・冗談に・・・決まってる・・・だろ・・・( ●へ●)」
トンベリィは息も絶え絶えにやっとの思いで言葉を発している様子だった。
「料理長!もう、もうしゃべっちゃだめなのだ!あんまり無理しない方がいいのだーっ!(>_<;)」
・・が、トンベリィはスコールの言葉も聞かず彼の腕の中からすり抜けると、 巨大な機械が向かってくる方へと向かって足を引きずりながら歩き出した。
「あ、料理長!そっちへ行っちゃ危ないのだ!!」
トンベリィは止めようとしたスコールの方に向き直り、乱れていた呼吸を整えて言った・・・
「・・・ここは俺が食い止める。」
「そんな・・・何を言ってるのだ、そんな体じゃ無理なのだ!!」
「いいか・・・よく・・・」
トンベリィがなにか話そうとするのを制止してスコールは言った。
「駄目なのだ!さぁ早く逃げるのだ!ほら急がないともうそこまで来てるのだ!!」
「いいから聞け、スコール!!!」
「う、うん・・・」
いつになくきつい口調で言葉を発したトンベリィにスコールは驚き、戸惑った。
「逃げるったって・・・どの道俺を抱えてたんじゃ逃げ切れない・・・」
「でも・・・」
「だからな・・・」
「で、でも!な、なんとかなると思うのだ!!」
「聞けと言ってるだろ!!!」
「は、はいなのだ・・・」
スコールは心の動揺を隠しきれない様子だ・・・
「いいか、お前はまだ気づいちゃいないだろうが・・・お前は本当は強い、あのサイファーとか言う奴なんかとは比べ物にならないぐらい強いんだ・・・」
「そ、そんなことはないのだ、俺は・・・そんなに強くなんかないよ・・・」
「あぁ、今はな・・・」
「・・・ぇ?」
「今はまだ強くない、お前は自身のチカラをわかっていない、そしてコントロールしきれていない、自分の意志でその力を引き出す事が出来ないんだ」
「え、ぇぇえ?・・・なんだかよく・・・わからないのだ・・・一体どうしたら・・・」
「フフッ・・・俺のヒントはここまでだ、あとは自分で考える事だ・・・( ●_●)」
「自分で・・・」
そうしてる間にも敵はぐんぐん迫ってくる・・・
トンベリィは間合いを計りながらそろそろ潮時だと悟り、スコールに向かって声高らかに言い放った。
「さぁ行けスコール!お前をここで死なすわけには行かないんだ!!さあ早く行け!!!」
トンベリィは言い終わるや、どこにそれだけの体力があったのかというぐらいの勢いで、 迫り来る巨大な機械へと突進して行った!
「あーっ!料理長ーっ!!(@0@ )/」
・・・・・・そして・・・・・・次の瞬間・・・・・・
そこには・・・・・・ついさっきまで言葉を発していたトンベリィの・・・・・・
・・・・・・無残な姿があった・・・・・・
「!!!!!」