93.町内の変な兄ちゃん

なかなか進まないTボード、 先を行くセルフィの姿はすでに正面の小高い丘の向こうに消えようとしていた。

「何をのろのろしているのだ!早く帰らないと料理長がっっ!!(ToT)/」(ス)

「あなた達が乗ってるから遅くなるんじゃないの!」(キ)

「なにィ!?先生は料理長がどうなってもいいと言ってるのかーっっ!?」(ス)

「そんなこと言ってないわ」(キ)

「言ってるのだーっ!(ToT)」(ス)

ボードの上で言い争うスコールとキスティス。

「フゥ・・・シカタガナイ、オレンチニ寄ッテイコウ・・・」(ゼ)

「え?俺んちって??(;o;)」(ス)

「ゼル君の家はこの辺りなの?」(キ)

「アア、バラム町ダ。」(ゼ)

「なんだすぐそこじゃないの」(キ)

「マァナ」(ゼ)

「じゃぁセルフィに待っててもらわなくちゃ」(キ)

キスティスは丘のてっぺんに隠れて頭だけしか見えなくなってしまったセルフィに向かって大声で呼びかけた。

「セルフィーっ!ゼルの家に寄っていくからバラム町の入り口で待っててーっ!!」

「はーい♪」

「・・・ところでゼルの家によって行くと何かいいことがあるのか?俺は早く料理長を・・・」

「マァマカセテオケ」

ドン

「ゲホゲホ」

「・・・(-_-;)」

そうこうして一行はバラム町に到着した。

「コッチダ」

ゼルはずいずいと町の中に入っていく、
するとどこから現れたのか、子ども達がゼルを取り囲んでいる。

「?」(ゼル以外の3人)

「ナンダオマエ達、今日モ遊ンデ欲シイノカ?」

「うるせー変な兄ちゃん、あっち行けよぉ!」

ゲシゲシ

「ウッ・・・ナニヲスルンダ?イツモノヨウニコノ腕ノナカニ飛ビ込ンデオイデ」

「はぁん?なに言ってんだコイツ、やっぱり頭おかしいんだ、やーいやーい」

「やーいやーい」

子ども達は去っていった。

見るとゼルは子ども達の手によってバラバラにされ、路上に放置されていた。

「フフッ、ドウダ俺の人気ブリハ」

「・・・(-_-;)」

何もいえない3人だった。

「さっ、さぁ早くゼル君の家に行きましょ、次はどっちに行くの?」(キ)

キスティスは強引にゼルを起き上がらせると彼の手をひいてさっさとこの場を去っていった。

「あたしたちも行こ~っ♪」

「ん、うむむ・・・(-_-;)」

スコールはセルフィに腕を引っぱられながら、
人はそれぞれにいろんな苦労を背負ってるんだなぁとしみじみ思った。

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