94.ゼルの家
ゴンゴン★
『若乃花』
「タカハナダ」
『オッケィ』
ギー
「ヨォ母サン元気カ?」
『あらゼル、お帰りなさい、そちらはお友達?』
「マァナ」
「・・・っと、は、初めまして、バラムガーデンでゼル君の担当教官をしておりますキスティス・トリナンバンです・・・こっちはゼル君のクラスメイトでスコールとセルフィです・・・」
「まぁこれはこれはご丁寧に・・・」
スコールがキスティスの耳元でなにやら囁く。
「(先生・・・お母さんは一応普通みたいなのだ)」
「(そうみたいね・・・この家庭は一体どうなってるのかしら??)」
「ン?ナニヲブツブツ言ッテルンダ??」
「い、いいえ、なんでもないわ(汗)」
「先生達ハコッチノ部屋でマッテテクレ、」
ゼルは居間らしき部屋の入り口を指している。
「俺ハチョット倉庫ニトリニイク物ガアルカラ・・・ソノ間、俺ノ部屋ニハ絶対ニ入ラナイコト、イイナ? チナミニ俺ノ部屋ハ2階ダカラナ。」
そう言うとゼルはどこかへ行ってしまった。
「先生、ゼルの部屋に行ってみよう。」
「え?入っちゃダメって言ってたわよ」
「フッ、なんてったって俺とゼルとはルームメイトだからな、それくらいへっちゃらだよ」
何がへっちゃらなのかよくわからないが(謎)、そういい残すとスコールは先ほどまで大事に抱えていた料理長を放り出すと(!)、スタスタと階段を上って行ってしまった。
久しぶりに邪悪王スコールに火が付いた瞬間だった。(謎)
「んもうしょうがないわねぇ・・・セルフィ、ちょっとスコールを連れ戻してきてくれる?」
「はーい♪」
そう言うとセルフィはスコールを追って階段を上がっていった。
トテトテトテ・・・
「ふぅ・・・全く世話が焼ける子達ね・・・」
そう言いながらキスティスはゼルのお母さんが置いていったお茶菓子に手を伸ばした。
バリ
「あら、おいし♪」
それはバラム名物・バラムフィッシュせんべいだった。