96.ボード類

ゼルを待つ間、スコールは無残にも床に転がっていた料理長を抱え上げると手厚く葬って・・・ じゃなくて手厚く看病していた。

「くっ・・・誰がこんなことを・・・」

怒ってるのか泣いてるのかよくわからない表情を浮かべながら顔を紅潮させているスコール。

一方バラムフィッシュせんべいにもう夢中のキスティスは、テーブルの上に置いてあった女性誌の今月の特集『ハタチはお肌の曲がり角!?』を食い入るように見つめていた。

「なになに?角質層が角張ってきたら要注意・・・かぁ・・・」

キスティスは自分の頬に手を当てながら、まだまだお肌ぴちぴちのセルフィのほうにちらと視線をやった。

当のセルフィはというと・・・
彼女は本棚にたくさん並んでいる料理の本の中から『男の料理』と書かれたものを取り出して読んでいた。
キスティスがこっそり身を乗り出して覗き込んでみると、そこにはバラムフィッシュを吊るし切りにして4枚おろしにする手法が描かれていた。(謎)

「あの子料理もできるのかしら・・・キィーくやしい」

キスティスはハンカチを噛み締めながら、自分の人気におぼれて、女の子らしいことを何一つしてこなかったことを恨めしく思っていた。


しばらくするとゼルがなにやら2種類の乗り物(?)を携えて戻ってきた。

「オマタセタナ」

「ゼルーっ!遅いじゃないか!!料理長にもしもの事があったらどうするつもりなのだーっ(T△T)/」

「マァマァ、スグ出発スルカラ話ヲキケ」

「うぅぅ・・・(T_T)」

情緒不安定なスコールを置いといて、ゼルは説明を始める。

「コレハKボード、ソシテコッチガRボードト言ッテナ、ドチラモオレガ開発シタモノダ。ドチラカ好キナホウヲトレ。」

「俺はこっちの銀色のやつにするのだ」

スコールはまだ泣いていたがちゃっかりとKボードをゼルの手から奪い取っていた。

「わたしはTボードを借りるわよ、ゼル」

「・・・ンムム・・・ショウガナイナ・・・ジャア俺ハ・・・チョット古イケドコレニスルカ・・・」

ゼルはしぶしぶRボードを持って外に出ていこうとした、が。

「ねぇあたしのは~?」

「ア、忘レテイタ・・・(-_-;)」

「もうないの~?」

「チョットマテ」

そういうとゼルはまた奥へ行ってしまった、
が、今度はすぐに帰ってきた。

「ジャァコレヲカシテヤロウ」

「これは~?」

「Sボードダ。」

「でもこれタイヤがついてないよ~」

「アァ、ソレハ本来海デ使ウモノダカラナ、ツマリ波ノリヨウダ。」

「え~?」

「セルフィダッタラナントカナルダロ。」

「なんともならないよ~」

「ソウカ、デモモウコレシカナイゾ」

「じゃぁいいよ~走って行くから~」

「アア、ソノ方ガ速イダロ、キット」

こうして一行はゼルの家を後にするのだった。



- 模範解答 -
Tボード:タービンボード
Kボード:キックボード
Sボード:サーフボード
Rボード:ローラースルーゴーゴー(笑)

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