98.早く!
寒空の下、待つこと10分。
ようやく向こうの方にゼルの姿が見えてきた。
「あっ!ゼルぅ~♪」
「ゼル、遅いじゃない!スコールはどうしたの!?」
「スコール?スコールハ・・・」
と言いつつゼルは自らが乗ってきたRボードの後部にしばってあったロープを引き始めた。
「?」
キスティスとセルフィの二人は目を見合わせ、訝しげな様子でゼルの所作に注目していた。 すると・・・
「キャーッ、スコールぅ~っ!」
「ちょっ、ちょっと何よこれは!?」
なんとスコールはKボードにロープで縛り付けられぐったりしていてた、どうやらゼルのRボードに牽引(誤)されてきたようだ。
「ちょっとゼル!どういう事なの!?説明して頂戴!!」
ゼルに詰め寄るキスティス。
「マァマテマテ、俺ノ話ヲキケ」
「スコールぅ~大丈夫ぅ~(;_;)」
セルフィはスコールのもとに駆け寄り、ロープをほどこうとするが・・・
「えーん固いよぅ・・・」
そのロープは怪力セルフィをもってしても容易にはほどけない程頑丈に縛り付けられていた。
「ちょっとゼル!」
「落チ着ケ先生」
「これが落ち着いていられるのっ!」
「ダカラ落チ着ケッテ」
「だからどういう事なの!?」
「・・・マァ、簡単ニ言ウト、スコールガヘバッチマッタカラ乗セテキテヤッタッテコッタ」
「・・・だからってこんな風に・・・」
「ナァニ、ヤツハコノ程度デクタバルヨウナタマジャナイサ」
「そんなの当たり前でしょ!!」
「ム・・・」
キスティスにきつく言われてちょっとバツが悪くなったのか、ゼルはボード類を片づけ始めた。
「セルフィ、どう?ほどけそう?」
「う~ん・・・もうちょと~・・・・あ、ほどけた~っ♪」
すぐにセルフィはスコールをゆすってみる。
「スコールぅ~起きてよ~」
「うぅぅん・・・」
スコールは少々の反応を見せるもののいまだに意識が戻らない。
「え~ん起きないよぅ・・・(;_;)」
「スコール、スコール!」
キスティスもスコールの頭の上から呼びかけてみるが反応はない。
「うぅぅ・・・料理長・・・もう少し・・・もう少しの辛抱なのだ・・・(+_+)」
「せんせ~どうしよ~スコールが~・・・」
セルフィは泣き出しそうな顔でキスティスに訴えかける、それを見たキスティスは意を決し、こぶしに力を込めてスコールの顔面を殴りつけた!
「スコール!おきなさーい!!」
バキーッ☆
すると・・・
「ハッ!?ここは・・・?(-_- )?」
「スコールぅ~(;o;)」
「あ、いつのまにかガーデンに着いてるのだ!( -_-)/」
「俺ガ連レテキテヤッタンダ」
「おぉぅサンキューゼル!そんなことよりも料理長を・・・!」
スコールはふところに入れた料理長を確認すると、一目散に校舎の方に向かって走って行った。
「早くーっ早く保健室へ料理長をーっ・・・!」
「あぁ~スコールぅーまってよ~」
セルフィもスコールの後を追って、保健室へと走って行った。
・・・後に残されたゼルとキスティスはというと・・・
「・・・無事だったからよかったけど・・・少しは反省してるの?」
「ナニ言ッテンダ、オレモ途中デ脱臼シタリシテ大変ダッタンダカラナ。」
今日もゼルの壊れぶりは健在だった(謎)