99.保健室

―バラムガーデン1F案内板前―

おりしも下校時間と重なってしまったため、帰宅する生徒、部活動のためグラウンドへ行く生徒、訓練場へ向かう生徒、図書館で勉強しようという生徒、そして食堂めがけて一直線のいやしんぼ生徒等、
とにかく生徒達でごったがえしていた。

そんな中を突っ切っていくスコールに黒い人影達(謎)が群がってくる。

「スコール~ガンブレード見せてくれよ~」

「なぁいいだろ~」

「見せてくれよ~」

「スコール~、見せてくれよ~」

「ちょっとでいいからさ~」

黒い人達(謎)は次から次へと湧いて出てくるようで振り払ってもきりがない。

「うるさいのだーっ!うぬぬぬーっ雑魚散らし!」

「わー!」

スコールに群がっていた雑魚はみんな散っていった。

「ハッ!?興奮しすぎて使ったこともない技を使ってしまったのだ、でもいいのだ、これでいいのだ(赤塚(謎))」

モーゼの十戒(違)の如く道を切り開いたスコールは、バカボンのパパのモノマネで皆の注目を集めていたが、 彼の手を傍らにいたセルフィが力強くぐいっと引っ張った。

「スコールぅ~早く早く~っ!」

「おっおうそうだったのだ、こんなことをしてる場合ではなかったのだ(-_-;)」

こうして二人は足早にその場を立ち去った。

―そして保健室―

「カドワキ先生ーっ大変なのだーっ!!」

スコールは保健室の入口を開けるなり大声でカドワキ先生を呼んだ。
が、部屋の中はシーンと静まり返っているようだ。

「んむーっ、なんだあの保健のクソババア、肝心な時に限ってどこへ行ってしまったのだ!?(-_-;)」

「誰がクソババアだって?」

「わわっ!びっくりしたのだ(@o@)/」

ベッドのカーテンの陰からぬっと現れたカドワキ先生に驚くスコール。

「なんだいそんなに慌てて、また誰かとぶつかったのかい?」

「ち、ちがうのだー!これを見てくれなのだっ!!( ><)ノ」

スコールは懐に入れた料理長を差し出した。

「ホホゥ、これはまた珍しい魚を拾ってきたね。でもさばくんだったらここじゃなくて食堂のおばちゃんに頼んだらどうだい?」

「ふざけるな!料理長は俺の師匠なのだ!」

「へぇぇ、なんの師匠なんだい?」

「えぇと・・・何の師匠?・・・そんなことはどうだっていいのだ!(逆ギレ)」

「そんなに怒ってちゃわからないよ、ゆっくり話してご覧」

「うっうっ・・・( ><)」

スコールは感極まり、また泣き出してしまった。

「あの・・・」

「ん?なんだい?」

「あたしが説明しますぅ」

「あぁ、そうしてくれるかい?」

セルフィはスコールに代わって事の経緯をカドワキ先生に話して聞かせた。

「ふぅんそういうことかい・・・」

そういって立ち上がると、カドワキ先生は薬棚から何やら取り出してきた。

「それは・・・?」

「これはフェニックスの尾と言ってね・・・まぁ説明はどうでもいいさね」

「そっそれで料理長は助かるのだな!?」

「あぁ、でも・・・これが使えるのは一度きりだからね」

「なんだかドラゴンボールみたいなのだ」

「なんだいそりゃ」

「テレビでやってるのだ」

「フン、まぁどうでもいいけどね」

カドワキ先生はトンベリィにフェニックスの尾を投与し、ベッドに寝かしつけた。

「まぁあとはハイパーほしにくでも食べさせときゃ一日で退院できるだろうさ」

「そうか・・・よかったの・・・だ・・・」

バタン

「スっ、スコールぅ~!」

スコールはほっとしてどっと疲れが出たのか、トンベリィの枕元に倒れ込むようにして眠ってしまった・・・。

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